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父親がだんだん物忘れが酷くなってきて、ある程度は予想していましたがやはり認知症の症状が出てきて、いつの間にか徘徊もするようになっていました。

 

今のところ夜中に家を出て行ってしまうようなことはないのですが、今後はどうなるのかは分かりません。

 

こんな日も来るかと認知症による徘徊についていろいろと調べたので、その要点を備忘録としてこの記事でまとめています。

 

最近、家族の物忘れが酷くなってきてこれからが心配…」という人に向けて、今後のための予備知識としてなるべく役に立つような内容で簡潔に書きました。

 

認知症の主な症状と徘徊との関係

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まずは認知症の種類から整理してみましょう。

 

認知症には「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」「前頭側頭型認知症」という4つの種類があります。

 

もちろんこれらを覚える必要はありませんが、同じ徘徊でも認知症の種類によって徘徊の傾向が変わるというのは頭に入れておくといいかもしれませんね。

 

次に、認知症の主な症状と徘徊との関係についてまとめました。

 

記憶障害

 

記憶障害とは「物忘れ」とは違い、経験したこと自体を忘れてしまう症状のこと。

 

例えば、夕食のメニューが思い出せないのは物忘れの範囲ですが、夕食を食べたということ自体を忘れてしまうのが記憶障害です。

 

何か目的があって外に出たつもりが目的そのものを忘れて歩き回るといったパターンの徘徊がこれに当たります。

 

見当識障害

 

現在の日時や場所、自分自身や家族のことを把握できなくなるのが見当識障害です。

 

今どこに居るのか、誰と居るのかが分からなくなるので自宅に居ても居心地が悪くなって「家に帰る」などと言って外に出ようとします。

 

判断力障害

 

認知症により物事を理解することや判断する能力が低下する症状が判断力障害です。

 

暑い季節に厚手の服を着たり、パジャマ姿で外出してしまうなどの徘徊のパターンがこれに当たります。

 

不安・ストレス

 

過度な不安やストレスは、その他の障害を引き起こすきっかけになったり、元々の症状を強くすることにも繋がります。

 

ストレスは万病の元とも言われていますが、日々のストレスが突然の徘徊を招くケースもあるようです。

徘徊の症状を和らげるためにできること

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認知症による徘徊の原因は決して1つではありません。

 

また、原因が分かったところで徘徊を止めることは難しいのですが、ここではその頻度を減らしたり症状を和らげるためにできることをいくつか紹介します。

 

理由を聞いてあげる

 

認知症による徘徊は理由もなくブラブラしているのではなく、本人には外出するちゃんとした理由があると言われています。

 

その理由自体は意味を持たないかもしれませんが、耳を傾けてあげることによって本人の不安が解消したり、介護のヒントが得られる可能性もあります。

 

 

私自身も「本人なりの理由があって外出している」ということを理解してから、「なぜ?」と考えることがなくなり多少ストレスが減りました。


 

怒らない

 

徘徊によって周りの方に迷惑を掛けた場合など、ついつい家族は怒ってしまいがちです。

 

認知症では、知的機能が衰えても感情の機能がなくなるわけではないので、もちろん本人は怒られた(叱られた)ことにストレスを感じます。

 

しかも怒られた原因を理解できないことが多いので、不愉快な思いが蓄積されてさらに徘徊や行動異常が増えるという悪循環に陥るケースもあるので注意しましょう。

 

自由に歩いてもらう

 

徘徊の症状を止めようとするあまり、それが本人だけでなく家族のストレスに繋がることもあるでしょう。

 

例えば、誰かが付き添って一緒に歩いてあげられれば、もしろ自由に歩いてもらうことで症状が減るという場合もあります。

 

なかなか難しいですが、できる限り自由に歩いてもらえる環境が作れるように家族で話し合うのもいいかもしれません。

 

他の行動で気をそらす

 

認知症では記憶障害により行動の動機を忘れるということが少なくありません。

 

例えば「家に帰る」と言って外に出ようとしたときに、「ケーキがあるから食べてから帰れば?」など他のことに意識を向ければ外に出たいという気持ちを忘れることもあります

 

毎回同じような方法で気をそらすわけにはいきませんが、ある程度は対処できるケースが増えるはずです。

徘徊に対する現実的な対策

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原因をある程度理解して、できるだけ徘徊の症状が和らぐようなことをしてあげるというのがここまでの説明ですが、

 

それとは別に、症状が出てしまうという目の前の現実への対策をしなくてはいけません。

 

その対策というのも「家から出ないようにする」対策と、「家から出た後」の対策に分けて考える必要があるので整理してみましょう。

 

家から出ないようにする対策

 

家から出ないようにする対策は、まず「家の内側から締める鍵を付ける」というのが基本です。

 

これは業者さんに頼んで本格的に施工してもらう前に、とりあえずは玄関(お勝手口)だけ専用の鍵を取り付けてみることをオススメします。

 

鍵自体はAmazonや楽天市場で「認知症 対策 鍵」などで検索するとヒットするでしょう。

 

昔からある、玄関のドアを開けると鳴る鈴やチャイムも夜間の徘徊防止には有効です。

 

ただし家から出ないようにするという対策は、根本的な解決にならずかえってストレスを与える可能性もあります。

 

なので、家族が忙しいときや夜間に限定するといったメリハリも大切かもしれません。

 

家から出た後の対策

 

家から出た後の対策には、「周りの助けを借りる方法」と、「自分たちだけでもできる方法」という2つの方向性があります。

 

周りにも協力してもらう方法としては、ご近所や地元の町内会などの交流があるなら家族の徘徊の可能性を伝えておくのが始めの一歩となります。

 

交番や行きつけのお店などに声を掛けておくのも定番の対策です。

 

また、自治体によっては専用の見守りネットワークのような試みもあるようなのでこうしたサービスを活用するのもいいでしょう。

 

ただし、実際にはご近所さんや警察にお願いするのは気が引けるというケースも多いはずです。

 

もちろん自分たちでは何もせずに周りにだけ頼るというのも無理がありますよね。

 

そこで見守りGPSの出番となるわけです。

 

そのメリット・デメリット、体験談などは他の記事でも書いているのでここでは省きますが、見守りGPSは自衛の対策としてもっとも有効な手段だと思います。

 

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まとめ

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警察庁が発表した「令和4年における行方不明者の状況」によると、認知症が原因で行方不明になった数は全体の約22%を占める年間約18,700人となっています。

 

毎年15,000人を超えているという人数は決して少なくありませんよね。

 

実際、徘徊といっても電車やバスに乗ったり、意外と足取りがしっかりしてるから周りが気付かないことが多いというのもその原因の1つのようです。

 

つまり、たしかに周りの協力も有り難いことなのですが、まずは自衛の手段を確保しておかなければいけないということですね。

 

今回は認知症による徘徊の主な症状や対策、和らげる方法などを説明してきました。

 

もちろん私は専門家ではなく今回の内容はあくまでも自分が調べたことのまとめなので役に立たないかもしれませんが、予備知識として少しでも参考になれば幸いです。

 

 

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