スマートタグは見守りGPSの代わりになるのか?
家族の独り歩きが心配になってその対策として「見守りGPS」のことを調べていると、『AirTag』や『Tile』などのいわゆるスマートタグや忘れ物防止タグと呼ばれるデバイス(機器)のことも気になってきますよね。
見た目がかなり小さくて、しかも月々の支払いがいらないみたいだから「これでいいんじゃない?」と。
もちろん、今は見守りGPSを使っている当ブログの管理人も最初はそう思いましたよ。
でも、結論から書くと「見守りGPSに比べるとあまり役に立たない」と感じてやめました。
ではなぜ役に立たないと感じたのか?
今回の記事は、認知症の徘徊対策に「見守りGPS」と「スマートタグ」で迷っている人に向けて書きました。
「スマートタグでもいいような気がするけど…」と思っていたらぜひ参考にしてください。
そもそも「スマートタグ」や「忘れ物防止タグ」って何?
そもそも『AirTag』や『Tile』『MAMORIO』などに代表される「スマートタグ」や「忘れ物防止タグ」(ここからは「スマートタグ」で統一)とはどんなものなのでしょう?
スマートタグとは基本的に、BluetoothやGPS機能を使ってスマホと連携して、置き忘れた場所や位置情報を通知するデバイスです。
細かい仕組みや、タグの大きさ・形はメーカーによって様々ですが、価格は3,000円〜5,000円くらいで、一度買ったらその後は月額利用料を支払わずに使えます。
簡単に言うと、大事な物をなくさないように、またはなくなった場所を見つけ出すための「電池で動く発信器」ですね。
スマートタグはどんなことができるの?
スマートタグは何ができるのか?もう少し具体的に説明しましょう。
今は数え切れないほどのスマートタグが発売されているのでもちろん全ての製品というわけではありませんが、人気や実績がある製品では主に以下の3つのことができます。
1.アイテムファインダー機能
スマホの操作でスマートタグから音や光を出して場所を知らせることができます。家の中や仕事場といった狭い範囲で見つからない財布や鍵などを探す機能です。
2.忘れ物防止機能
スマホとスマートタグの距離が一定以上離れるとスマホに通知が来ます。お店で財布を忘れたときなどにお店から離れたタイミングでスマホに通知が来て忘れ物を気付かせてくれます。
3.GPS機能
どこかに置き忘れた物をGPSで探すことができる機能です。なくした場所(スマホとの接続が切れた場所)を記録してくれたり、誰かが持っているスマホやタグで場所を特定したりします。
たしかに見守りGPSと同じような機能があるし、とくに「忘れ物防止機能」と「GPS機能」は高齢者用に使おうと思えば使えそうですね。
「見守りGPS」と「スマートタグ」は何が違うの?
私自身も見守りGPSを検討しているときにやはりスマートタグのことが気になって、何が違うのかが知りたかったので並行していろいろと調べました。
その結果、見守りGPSの『あんしんウォッチャー』を利用することに決めたのですが、
スマートタグと比較する意味で、実際に父親の徘徊対策にあんしんウォッチャーで使っていて役立っている機能があるかないか、それと簡単なスペックを表にまとめました。
スマートタグ |
あんしんウォッチャー |
|
---|---|---|
複数のスマホで見守り | ||
現在地の確認 | ||
移動履歴の確認 | ||
端末からのボタン通知 | ||
設定エリアを出た通知 | ||
設定場所に入った通知 | ||
端末本体の価格 | 約3,000円〜5,000円 | 3,975円(LE) |
月額利用料 | 実質電池代のみ | 539円 |
バッテリーの持ち | 約1年 | 約2週間〜1ヶ月に1回充電 |
この表を見ると分かるように、スマートタグは月額利用料がかからない代わりに移動履歴の確認や設定スポット通知などができません。
もともと用途が違うので仕方がないですが、高齢者用に見守りGPSを使っていると、やはり「現在地」と「移動履歴」が正確にほぼリアルタイムで把握できるのは有り難いです。
というよりも、これらを正確に知りたいからこそ見守りGPSに決めたと言うべきかも。
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スマートタグのメリット・デメリット
それではここで改めて「スマートタグ」のメリットとデメリットを整理してみましょう。
スマートタグのメリット
- 端末が小さくて軽い
- 電池が約1年持つ
- 月額利用料がかからない
スマートタグのメリットといえば何と言っても端末本体が圧倒的にコンパクトで、しかも一度購入してしまえば月々の利用料を支払わなくても使えることですよね。
電池は、交換できるタイプや充電できるタイプもありますが、交換ができないタイプは電池が切れたら(一部割引価格で)買い替える必要があります。
とはいえ、機能は少なくても電池は半年から1年程度は持つので経済的であることに違いはありません。
スマートタグのデメリット
- GPS内蔵ではないから位置情報が不明瞭
- 人がいない所では位置情報を得られない
- 移動履歴がない
- 複数のスマホで見守れない
- 意外と端末価格が高い
スマートタグのデメリットと言えば、基本的には忘れ物防止、紛失防止を目的としたデバイスなので機能が最低限しかないことです。
また、リアルタイムで場所の特定ができなかったり、人がいない所では特定が難しいというのは ”人” を探すのには向いていません。
現在地の測位は他人のスマホやタグから行うので、もしもの時に家族を探すという目的で利用するのであれば不安ですね。
さらに移動履歴の確認や複数の(家族の)スマホで見守れることを考えると、個人的に見守りGPSには500円ほどの月額利用料を支払う価値があると思います。
【まとめ】スマートタグは物を探すためのデバイス
スマートタグは財布や鍵といったアイテムだけでなく、盗難対策として自転車に付けるという使い方もあります。
実際に自転車が盗まれたけど見つけ出せたというケースは多々あるようです。
これを応用して、独り歩きが心配な家族にスマートタグを持ってもらえば見守りGPSの代わりになるかもしれません。
ただし、これまでも書いてきたとおり、スマートタグにはGPSが内蔵されているわけではないので他人のスマホやタグに測位を委ねるという受け身の見守りになります。
そもそもスマートタグは、あくまでも物を探すことが目的だからこそ簡易的な仕様にして利用料を取らないシステムになっているのでこれは当然なんですね。
ちなみに、分かっていて利用するのは問題ないと思いますが、基本的にメーカーでは人への利用は推奨していません。
人を見守るなら…
結局私は、人工衛星・スマホ・街中の無線LANなどの電波を受信できて、どんな所にいても正確に居場所が分かる見守りGPSの方を選びました。
実際に、家から3kmくらい離れたところまで歩いて行ってしまった父親をすぐに見つけ出せたという経験もしましたし、あんしんウォッチャーにして本当に良かったです。
さらに移動履歴が確認できて、家族全員のスマホで見守れるというメリットは大きいので、高齢者の見守り用ならやはりスマートタグではなく見守りGPSをお勧めしますね。
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