この記事は見守りGPSにはどんな機能があるかをまとめています。
見守りGPSはお子さんに持たせて現在地の確認に利用するだけでなく、高齢者の外出を見守るために利用することもできますが、
高齢者用として考えた場合、「どんな機能が必要?」「どんな使い方をするの?」といったことが気にかかりますよね。
そこで、実際に父親のために毎日使っている当ブログの管理人がそれぞれの機能に優先順位を付けて解説をします。
認知症による徘徊の対策として見守りGPSを検討している人はぜひ参考にしてください。
これは絶対必要!優先順位「A」の機能一覧
まずは優先順位「A」の機能(性能)を説明します。
ここで紹介する機能が全て付いていれば高齢者用の見守りGPSとして十分な役割を果たしてくれるはずです。
1.現在地が確認できる機能
現在地が確認できる機能とは、文字通り見守りGPSの端末本体を持っている人の現在の居場所を特定してくれるものです。
これはまさに見守りGPSの機能の中でも「基本のき」。
普段の散歩や黙って家を出て行ってしまったときに活躍してくれるとても大切な機能です。
なお、現在位置はリアルタイムでの表示ではなく数分に1回の間隔で更新される仕組みになっていて、ほとんどの機種は1分〜5分くらいの間で更新時間を調整できます。
更新頻度を短くするとより細かい行動が確認できますが、どちらにしてもカーナビのようにリアルタイムで現在地を表示するわけではありません。
現在地の精度については、居る場所の環境にもよりますが、最新の機種であれば誤差は5m〜10mくらいの範囲というのが標準です。
2.移動履歴の確認と保存
ほぼ全てに機種に備わっていますが、移動履歴もとても大切な機能といえます。
現在地を確認する機能が位置の測位(数分に1回更新)なのに対して、移動履歴は「何時にどこに居た」「どこの道を通った」といったその日の移動履歴を保存してその情報を確認できる機能です。
一緒に出掛けたときの記録にも
例えば、「何時頃に家を出てどこまで行った」「現在居る場所までどのルートで行った」などの情報が確認できるので、体力や認知機能の管理にも役立ちますね。
遠くから見守る家族としてはこの移動履歴で1日の動きを見て「今日も元気に散歩したんだな」と確認できるのが何より有り難いです。
履歴を保存しておける期間は機種によって1週間〜3ヶ月程度。保存期間の長さを重視する場合は機種を選ぶときに確認しましょう。
3.種類の異なる複数のシステムによる測位
見守りGPSの「GPS」とは、人工衛星の電波を受信して現在地を測位するシステムのことで、一般的にも馴染みのある言葉ですよね。
ただ実は、この「GPS」というのは世界で初めて運用を開始した “アメリカの人工衛星のシステム” だけの名称で、現在ではアメリカだけでなく世界各国が人工衛星の電波を提供しています。
見守りGPSの中にはこうした電波を受信する機種が増えていて、4カ国の衛星群が利用できる「GNSS」や、特定の地域を測位する「RNSS」など、複数の人工衛星に対応している機種もあるんです。
さらに、人工衛星の電波とともに、携帯電話の基地局からの電波(スマホの電波)や、街中の無線LANスポットの電波を受信できる機種も増えてます。
機能というより性能面での話ですが、当然たくさんの種類の電波を受信できた方がより正確な位置を測位できることは言うまでもありません。
嬉しいことに、こうした複数の種類の電波を受信できる機種でも利用料金に差はないので、むしろGPSしか受信できない機種は候補から外してもいいでしょう。
4.複数スマホでの見守れる機能
見守りGPSは登録したスマホからアプリ(一部機種はブラウザ)を使って現在位置や行動履歴の確認ができます。
しかも、その情報を家族で共有できる、つまり複数のスマホから確認できるのもメリットの1つです。
高齢者用だと、実家で暮らす父親にGPSを持たせて、その様子を母親だけでなく離れて暮らす兄弟も一緒に見守れるというパターンですね。
例えばバッテリーの残量通知が届いたときに、家族の誰かが気付いて実家の母親に充電をするように連絡するといったことも可能。
見守る側は多い方が安心ですし、何と言っても離れた家族も散歩などの履歴を確認できるというのは助かります。
5.指定エリアの出入を通知する機能
あらかじめ登録したエリア(範囲)から出たとき、そして登録した場所へ入ったときにスマホへ通知が届く機能です。
これも高齢者用として利用するときは重要な機能ですね。
とくにエリアから出たときに通知が来る機能は、自宅から半径何kmとエリアを登録しておけば、知らずに家を出て行ってしまうようなケースで役に立ちます。
以前、まだエリア登録をしていないときに父親が遠くまで歩いて行ってしまったので、反省してすぐに登録しました。
この機能も中には付いていない、あるいは出入のどちらかだけ対応しているといった機種もあるのでチェックは忘れずに。
あったら便利!優先順位「B」の機能一覧
次は、できれば付いている機種を選んだ方がいい優先順位「B」の機能です。
どちらも標準で付いている機種が多いですが、ボタン通知機能は付いていないというシンプルな機種もまだあります。
1.本体のボタンを押すと通知が来る機能
端末本体に付いているボタンを長押しするとスマホに通知が届く機能です。
スマホ側からは連絡が取れない一方向のタイプ(GPS端末 ⇒スマホ)で、子供用として何かの合図のために使ったりします。
例えば「塾が終わったから迎えに来て」の合図でボタンを押すといった使い方ですね。
もちろん高齢者用としても、ボタンのことを認識できれば同じように何かの合図に使えますが、認識できないケースも少なくないでしょう。
ただし、利用料金はボタンが付いていないシンプルな機種と変わらないので、もしボタンを認識できなくても付いていて損はない機能だと思います。
我が家では、父親が家で暇なときに端末をいじってボタンを押すことがあります。
本来の使い方ではないですが、「ボタンを押しました」という通知が届く度に何となくホッとしますね。
2.バッテリーが減ったときに通知が来る機能
GPS端末のバッテリーの残量が減ったときにスマホのアプリへ通知が届く機能です。
バッテリーの充電は一緒に暮らす誰かがしてあげることになると思いますが、バッテリーの残量を家族でチェックできるので意外と助かります。
実際、我が家の場合は母親が頻繁にアプリをチェックするほうではないので、家族の誰かが連絡して充電をお願いしています。
実はこの機能のおかげで母親に電話をする機会がけっこう増えました。
親に電話をするきっかけってなかなか難しいものですが、「バッテリーが減ってるから充電してね」の一言だけでも電話する理由になるので、これは隠れたメリットなのかも…。
これはいらない?優先順位「C」の機能一覧
最後は高齢者用として利用する場合にそれほど重視しなくてもよい優先順位「C」の機能です。
とくに音声や文字でお互い連絡が取れる機能は、認知の進行段階を考慮する必要があります。
1.音声や文字でお互い連絡が取れる機能
見守りGPSには、ボタン通知で一方向のみ(GPS端末 ⇒スマホ)連絡が取れるタイプとは別に、両方向(GPS端末 ⇔ スマホ)から連絡が取れるタイプがあります。
メッセージのやり取りは、音声(ボイスメッセージ)、または文字(テキストメッセージ)のいずれかで、それぞれ留守番やメールのようなイメージです。
リアルタイムでの連絡は取れませんが(それだとスマホになる?)、お互いの意思の疎通ができるのでいろいろな使い方ができますね。
ただし、高齢者用として利用する場合は、認知が進んでいるため結局は使えないというケースが多いかもしれません。
たしかに便利な機能ですが、ボタン通知のみのタイプよりも利用料金が高くなることも考慮して検討することをお勧めします。
2.大容量バッテリー
スマホと同様に、見守りGPSの端末もバッテリーの容量が大きければ当然使用できる時間が長くなります。
見守りGPSのバッテリー容量は、機種によって400mAh 〜 2000mAhくらいまで幅があって、主流は1400mAh前後です。
バッテリーの持ちについては、各メーカーのホームページなどで確認すると1000mAhの容量があれば、通常の使い方をした場合に1ヶ月くらい。
通常の使い方とは「現在地の更新頻度が3分に1回」「土日は使わず1日2時間の移動」といった条件での使用です。
つまり、1400mAhであれば満充電で約1ヶ月半くらいは持つということですね。
ただ実際には、本人の日々の移動時間や範囲によってバッテリーの持ちはかなり変わってくると思います。
うちの父親は暇さえあれば近所をウロウロしているのであまり参考になりませんが、1500mAhのあんしんウォッチャーで5日から2週間くらいの間でしょうか。
それでも1日2日で切れることはないので、主流の1400mAh程度の容量があればスマホのように毎日充電するほどではありません。
1000mAh以下だとちょっと小さいかもしれませんが、あまり大容量バッテリーにこだわる必要はないと思います。
3.駆けつけサービス
警備会社の「SECOM(セコム)」と「AKSOK(アルソック)」が提供している見守りGPSには要請に応じて現場に駆けつけるサービスが付いています。
利用料金が他の見守りGPSより高いうえに時間当たりの実費も掛かりますが、いつでも現場に駆けつけてくれるというサービスは確かに魅力がありますよね。
ただし、実際には見守りGPSの端末の位置情報だけでガードマンの要請の判断をするのは難しいかもしれません。
また、どちらの会社のGPS端末も、使い勝手や機能の面においてその他多くの端末に劣るので「見守りGPS」としての本来の目的からは少しずれるような気がします。
どちらかというと、この2社の場合は「いつでも現場に駆けつける」サービスを提供するのがメインというほうが正しいかも。
なので、そういった目的であればこの2社のサービスを選ぶ価値があるでしょう。
ちなみに、あんしんウォッチャーはセコムと提携していて、「自宅に訪問する(駆けつける)」というオプションが基本料無料で加入できます。
GPS端末の現場に駆けつけるサービスの簡易版のようなものでしょうか。
両親が離れた実家にいるという場合は、要請をすれば登録した自宅を訪問してくれるサービスが付いているだけでかなり安心感はありますよね。
もちろん時間当たりの実費も掛かりますが、他にはない「あんしんウォッチャー」のメリットの1つと言っていいでしょう。
【まとめ】〜ポイントはやっぱり進行段階
ということで今回は、見守りGPSを高齢者用に利用する場合に必要な機能を説明してきました。
それぞれ優先順位を付けて説明しましたが、基本的に優先順位「A」の機能はほぼ全ての機種に付いているので見守りGPSを選ぶときの比較ポイントにはなりません。
やはり機種を選ぶときのポイントになるのは音声メッセージなどでお互いに連絡が取れる機種にするかどうかです。
たしかに子供用として考えると利用料金が高くても選びたくなる機能ですが、認知症の高齢者だと無駄な機能になってしまう可能性はあると思います。
もちろん、高齢者用とはいっても「スマホを持つほどではないけど…」といった使い方なら便利ですね。
あとは認知の進行段階によって、うまく使えるようであれば検討する価値は十分にある機能だといえます。